初釜

昨年は三千家の初釜中止を受けて、当方の「初釜」も急遽中止と致しました。
茶道を始めて50年近く「こんなことはなかった…」と思いながらこの一年、マスクと消毒を徹底してお稽古する日々、そして今年は何とかオミクロンが感染拡大する寸前に滑り込みで宗智会の初釜をすることができました .ただ、密を防ぐために午前と午後に分散参加とし、祝膳もコンパクトにして持ち帰り、せっかくの「源太の花びら餅」も懐紙に乗せて銘々でとっていただき、マスクを外すのはお茶とお菓子を口にする瞬間のみ…というコロナ感染防止対策簡易ヴァージョンの初釜でした。

しかしながら、去年は何となく決まりがつかずに一年が始まった感じでしたが、今年は「さあ、これから!」という感覚は私をはじめ社中にも培われたようでした。
今年こそは大きく羽ばたきたい…という思いを込めて、濃茶席の抹茶は「鳳の昔(柳桜園)」を使いました。例年のように、立礼の薄茶席ではその前の年に茶名を拝受した方が担当し、お茶は今年の期間限定の「虎昔(一保堂)」を用意してくれました。

そして、二年ぶりの今年のお家元の初釜…なんとすべて立礼で行われ、感染対策も徹底されて祝膳は持ち帰り、「川端道喜の花びら餅」もやはり懐紙に乗せられ、お客様が各自で取る方式でした。
今年の新年扇子は「猛虎一撃寿」、私流の解釈では「コロナを吹っ飛ばし、幸せを!」といった感じでしょうか。
例年と違ったのは、三代「元伯宗旦」九代「不見斎 石翁宗室」十代「認得斎 柏叟宗室」が寅年ということで、濃茶席の床は 元伯宗旦筆「龍虎」、清々しい字体の中にも力強さが見えるお筆で
今年こそ更に一歩前に進みたい…と思わせるお軸でした。

因みに 元伯宗旦 →1578年生まれ、戊寅(つちのえとら)
不見斎石翁→1746年生まれ、丙寅(ひのえとら)
認得斎柏叟→1770年生まれ、庚寅(かのえとら)
薄茶席も立礼の御園棚で伊住ブラザーズの若々しくフレンドリーなお点前、こちらも寅年の宗匠方のお道具が出され、例年とは異なった薄茶席を体験させていただきました。
まだまだ先の見えないコロナ渦の中ですが、茶道の根幹を見失わず、感染対策も工夫をし、知恵を出し合って、これからも我を律して、この道を進んで行きたいと願うばかりです。
今年の当方の初釜の軸、坐忘斎御家元筆「楽事萬々祭」…楽しく参りましょう!!