各 服 點(かくふくだて)
今年は約3ヶ月休業となり、皆で一緒に季節の柏餅や粽を楽しむことが出来なかったな…と思いつつ、緊急事態宣言が解除になり6月に入って新型コロナウィルスの感染防止や除菌をしっかりしながら、お稽古を始めました。
端午に合わせた道具立ても使わずに仕舞い、もう五月雨(梅雨)を眺めてのお稽古再開です。
そして、With Coronavirus対策として…マスクの着用や手指の消毒はもちろんのこと、畳や床も除菌シートで拭き、茶碗・茶筅をはじめとする道具類の熱湯消毒もさることながら、お菓子も銘々皿で出し、濃茶の飲み回しや茶碗の共有、茶巾の使い回しはしないことにしました。
薄茶は替え茶碗を持ち出し、それも半東無しでそれぞれの茶碗で2服点てる練習をします。
濃茶は一座建立の精神を踏まえつつ、「各服點」を致します。これは、坐忘斎お家元がビデオレターでもおっしゃっていましたが、十三世圓能斎がスペイン風邪が流行した際に考えられ、濃茶の飲み回しをせず、お客様それぞれに別の茶碗で一服ずつ差し上げるやり方です。それを十四世淡々斎が「風興集」という書物に残していらっしゃいます。
500年ほど続く茶道というこの総合芸術はそれぞれの時代、多くの災難、様々な境遇にも耐え続け、その時その時に知恵と工夫を注ぎ込みその時代に逆らわず流されず立ち位置を見つけて、脈々と受け継がれて来たと思うのです。
「守破離」とは…
日本の文化が進化する創造的な過程のベースであり、「利休道歌」にある「規矩作法守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」から引用されたと言われ、基本や教えをしっかりと身に着け自律的に遂行できる者は更に研究や改善をして、新たな世界を切り開くことができる…という考え方。
その時代に則した茶道を推し進めたとしても根源の精神を見失ってはならないということが大切で、「型がある人間が型を破れば『型破り』、型の無い人間が型を破れば『形無し』と言われるのも道理と納得してしまうのです。
昨今はIT業界で、この「守破離」を用いて個人のスキルを評価することもあるそうな~。
とにかく、今は皆の安全と安心を担保しつつ、しかしながら茶道の本来の規範と精神を見失わずしっかりと地に足をつけてやっていきたい!と思う今日この頃です。

