灰形
茶道の世界では11月が茶壺を開ける「口切」、11月から4月までは「炉」の季節、5月から10月が「風炉」の季節です。「風炉」には「灰形」がついてまわります。「風炉」の材質や形状により、「灰形」も変わってきます。
初心者の方は、毎回私が灰をふるって、形をつくり、灰匙でなでつけて「灰形」を作っているとは思ってなかったようで、何か型に入れていると思っていたみたい・・・実際に作るところを垣間見てビックリ!!
中央に書きこまれるのは、水の卦・・・灰形を作り終えたところで下火が入る部分に書きます。八卦の乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤の坎にあたり、火の陽に対して水の隠で火を鎮めるという意味。
風炉は主に土風炉・唐銅風炉・鉄風炉、他に陶磁器の風炉・板風炉などがあります。
また、風炉にも真・行・草があり、風炉と灰形の関係を掌握しておかなければなりません。また、利休好みから始まって当代に至るまで、家元の好みもあります。おまけに敷板にも決まりがあります。敷板の好みもあります。
【基本の灰】
この写真(右上の写真)は道安風炉に「二文字押切」という灰形で基本の灰形です。ところどころ斑点のように白く見えているのが蒔灰です。目に涼しげに波頭の風情を表します。初夏には少し蒔き、熱くなるにしたがってだんだんと多く蒔くのですが、品よく美しく蒔くには修練が必要です。

真の風炉】
これ(左の写真)は眉風炉で、眉とは火窓の上がつながっていることで、眉風炉は真の風炉です。奥伝の台子点前で真の炭をする際には、鱗灰にするのが正式です。

【風景の灰】
秀吉の小田原の陣に同道した利休が由比ヶ浜を通りかかった際に浜辺に波が打ち寄せる風情を風炉の灰に映してはどうだろう~と発案したという話が「茶話古事談」に伝えられています。「遠山」「向山」などの灰形は山や谷の景色を風炉の中に取り込んだものと言えるでしょう。 灰形を作るのは見るとやるとは大違い!ふんわりとやさしく、でも灰匙の跡がつかないように作るのは至難の業です。お客様が席入りして、床の拝見のあとに必ず拝見される風炉と釜、おもてなしの一つの重要な要素として、清々しい灰形でお迎えしたいものです。
