茶道つれづれ 18

薄器それぞれ・・・

今年の裏千家宗家の冬期講習に参加して(僭越ながら最後の終了式で代表としてお家元の前で謝辞を述べ裏千家のホームページにも出たのですが…)基本の大切さを再認識するに至りました。上級者になると薄茶に取り組む機会が減り、徐々に薄器(薄茶をいれる容器)の扱いがぞんざいになってくるように思われ、このバラエティに富んだ薄器たちをしっかりと押さえて置く必要がある…と感じた次第。

薄器の材質は木地・漆器・竹・籠地・陶磁器・金属・硝子など多様でそこに蒔絵や螺鈿が施され、塗りも様々でその時々の茶席に相応しい彩を添え雰囲気を醸し出すことに繋がります。

① 棗(なつめ)

棗は植物の棗の実に形が似ていることからの名称、大・中・小・平棗とある。利休型を基本として多く種類がある。棗類のように甲(器の最上部の部分で蓋の形状)に丸みのあるものは甲拭きをする。茶を茶碗に入れる際には蓋は通常は右膝頭に置く。

② 薄器(棗型以外のもの)

中次(円錐形で中央あたりまで蓋がかぶるもの)・雪吹(中次の上部と下部を面取りしたるもの)・金輪寺(円錐形に薄めの蓋が乗っているもの)・甲赤(黒い胴に赤い蓋が大きくかぶっているので茶がはいっている下の部分が落ちやすく扱いに注意が必要)などは二引(にびき)という蓋を漢数字の二の字を書くように清める。蓋は茶碗と膝の間の中央正面に置く

③ 老松茶器

老松茶器

割蓋(蓋が中央で蝶番(ちょうつがい)で繋がれているもの)は蓋の継ぎ目を縦にして「り」の字を書くように清める。拝見に出すときは右の蓋をあけて「ノ」の字を書くように右の縁を拭く

③ 四滴

手瓶・油滴・水滴・蔓付

蔓付・水滴・油滴・手瓶(陶器製)を総称して四滴という。
蔓付だけは蔓前の蓋を「一」の字に拭き半回しして右を縦に拭いて戻すがあとの茶器は二引に清める。

持ち方は基本的に棗は半月(上から持ち人差し指を少し浮かす)、その他は横待ちです。どの所作もゆったりと押さえつけずに清めて、腕は常に大木を抱えるように保持して美しく置きましょう。
その茶席でその薄器を使う意味を知り、季節を楽しみつつも、いつも基本を忘れずにこれからも励みたいものです。

「稽古とは一より習い十を知り 十よりかえるもとのその一」(利休道歌)

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