茶道つれづれ 13

夏のお点前

今年は特別に猛暑が続くように思います。なんだか年ごとに暑くなってきているような気がしてなりません。
この季節は如何に涼しげに着物を着るか!(実際は暑いとしても)目に涼しい装い、そして涼しげな表情も大切かと思います。
そしてクーラーの無かった時代は、やはり涼やかに見え、爽やかさを感じる音、そして実際に冷たいものを
お客様にお出しするのがこの季節のおもてなしだったに違いありません。

【名水点】


私の知っている裏千家の点前で冷たいものをお客様にお出しするのは、この名水点だけです。水の衛生状態が悪かった時代は、名水でないとそのまま安心して飲めなかったのかもしれません。京都では醒ヶ井、利休井戸、宇治橋三の間は有名な名水で、東京でも明治神宮も清正の井をはじめ57ほど名水があるようです。そしてその名水を今日のお客様のために今朝汲んできた…というのが大切です。名水をご用意しています…とお客様にわかっていただくために水で湿した釣瓶に注連縄を張ります。濃茶の前に名水をお出しします。今のようにミネラルウォーターが無かった時代には、それは貴重で嬉しく、ひとときの涼味だったに違いありません。その後にいただく濃茶も格別な味わいだったと思います。


【洗い茶巾】


酷暑の頃に行う薄茶点前で平茶碗に水をはり茶巾をたたまずに流すことで、涼感を演出します。ここで茶巾を引き上げる際に涼やかの音を出し、その後茶巾を絞ります。また、茶碗の中の水が見えて
更に涼しさを感じることができます。

【葉蓋】


葉蓋は11代玄々斎が七夕の茶会に末廣籠の受筒に梶の葉を蓋にして水指の蓋にしたのが始まりとされ、黒塗の檜の曲に切箔を散らした筒を使用しますが、今年はあまりに暑いので、水の動きが見える江戸硝子の水指にしてみました。葉は梶だけでなく、桐・蓮・芋・蕗なども使います。ただ、梶の葉は七夕の飾りにも使われ、七夕の起源とされる中国の「乞巧奠(きっこうでん)」によると芋の葉にたまった夜露を神からの水と考え、その水で墨をすり、梶の葉に和歌を書いて願い事をしたらしい・・・
葉は水指の蓋を取るタイミングで手に取り、折りたたみ、茎を葉に刺して建水に落とします。その時だけのお点前はそのお客様だけにご用意したという意味でも素敵なおもてましですよね。
夏に限らず、日本の四季を楽しむ心はいつも大切にしたいと思います!!

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